前回は、紀元前600年の頃の白内障手術について書きましたが、
今回はもう少し最近、第二次大戦の頃のお話です。
戦闘機での戦いでコックピットの窓が割れ、
破片が目に入ってしまう負傷兵がたくさん出ました。
でも、ふつう目に異物が入れば炎症や拒絶反応が起きますが、
その人達は、そのようにならなかったのです
戦闘機の窓は、「PMMA」という硬いアクリル樹脂で出来ていて、
イギリスの眼科医 ハロルド・リドレー氏が、
濁った水晶体のかわりにPMMAのレンズを入れて、
手術することを思いついたのです
(この素材は、現在のハードコンタクトレンズの原型となりました)
これが眼内レンズの誕生です
最初に眼内レンズが移植されたのは1949年。
ただし、体内に異物を入れるのは、まだまだタブーでしたから、
普及するまでに20年近くかかったという事です
年をとっても良く見えるようになったり、
日帰りで手術できるようになったりしたのは、
ほんとにここ何十年、といったレベルの事なんですね
画像は、庭のマリーゴールドです